くりりんセンターの特徴

くりりんセンターは、廃棄物の焼却・破砕・選別などによる減容を行う中間処理施設です。平成8年9月30日に竣工、同年10月に供用開始しています。

現在、くりりんセンターへ搬入されるごみは、年間約77,500t。そのうち燃やせるごみは約8割、燃やせないごみ・大型ごみは約2割です。
くりりんセンターでは、燃やせるごみは燃やして灰にすることによって体積を17分の1に、燃やせないごみや大型ごみは破砕して金属などの資源物を選別し、最終処分場への埋め立て処分量をできるだけ少なくするための中間処理をしています。
また、ごみを燃やした熱を利用した発電も行っています。

くりりんセンターの施設・設備を紹介します。

可燃ごみ処理施設
大型・不燃ごみ処理施設
くりりん発電所

可燃ごみ処理施設
コンピュータ制御システムで安全かつ効率的に運転管理
 中央制御室
焼却量や焼却温度、発電量などすべての機械を管理している中央制御室。高度化したプラント運転技術を分散型コンピュータに蓄積するとともに、刻々と変化するプラントの運転状況を監視し、システムで制御することにより、少人数でも安全に効率よく施設を運転・管理しています。
焼却施設

ごみを1日に110t燃やすことのできる焼却炉が3炉あり、ダイオキシン類の有害物質を発生させないため、900℃前後の焼却温度で燃やしています。
ごみを全量焼却し、重量を約5分の1、体積は17分の1の灰にすることで埋め立て処分量の削減と衛生的なごみ処理を実現しています。
ボイラは400℃・3.82MPaの高温・高圧蒸気をつくり出すシステムを導入。この蒸気でタービンを回し、発電しています。また、燃焼排ガスに含まれる有害物質を除去する環境に優しい施設です。

ごみピット
可燃ごみを一時的に蓄えておくスペースのごみピットは、最大燃焼能力(330t/日)の5日分の容量を確保しています。
ごみクレーン・ホッパ
ごみクレーンは、一度に約3tのごみをつかむことができます。
ごみを安定的に燃焼させるため、クレーンでピット内のごみを撹拌し、ごみ質を均一化してから、焼却炉の投入口にあたるホッパへ投入します。
焼却炉
ホッパから焼却炉に運ばれたごみは、ストーカという装置の上で燃えて灰になります。くりりんセンターのストーカは階段式になっており、一段置きに前後に動き、ごみを前に進めながら、乾燥、燃焼、後燃焼の3段階の工程を経て、効率よくごみを完全燃焼させて有害物質の発生を防ぎます。またAAC(自動燃焼制御)により最適な燃焼状態を維持します。
焼却炉は3炉あり、全部で330tのごみを1日で燃やすことができます。1日24時間運転の全連続式焼却炉で、休みなくごみを燃やしています。

焼却炉を困らせる「クリンカ」

剥がれ落ちたクリンカ。大きいものでは、
50㎝大の岩のようなものが剥がれ落ちてきます。
ガラスやアルミなどの燃やせないごみが燃やせるごみの中に入っていても、ピットに入ったごみはそこから分別することができず、燃やすしかありません。燃やされたガラスやアルミは、溶けて灰と混ざり「クリンカ」というこぶのような塊になって焼却炉の壁に張り付きます。クリンカができると、焼却炉の焼却温度を下げてしまったり、焼却炉の壁がクリンカと一緒にはがれ落ちてしまうなど、機械の故障の原因になってしまいます。
機械の故障を少なくするためにも、燃やせるごみにガラスやアルミなど燃やさないごみを入れないよう、ごみの分別のご協力をお願いします。

バグフィルター
ごみを燃やした時に出る排ガスには、細かな塵や有害な物質が含まれています。その有害物質を取り除くためにバグフィルターという大きな空気清浄機のような機械が3つの焼却炉それぞれについています。機械の中には、フィルター(ろ布)が付いている筒が1基につき416本入っており、排ガスを消石灰で反応させてフィルターを通すことにより、細かな塵や有害な物質を取り除いています。

煙突
煙突の高さは59m。煙突の中に3本の煙道があり、それぞれが焼却炉とつながっています。バグフィルターを通った排ガスは、塵や有害物質が取り除かれ、白い煙状の水蒸気とともに煙突から出ています。

灰ピット
焼却が終わったごみは、焼却灰となってコンベアで灰ピットへ押し出されます。ここに貯められた焼却灰をクレーンで輸送トラックに積み込み、池田町にある一般廃棄物最終処分場「うめ~るセンター美加登」に運び、埋め立て処分しています。


焼却施設 主要設備概要
施設規模 330t/日(110t/24h×3炉)
設計ごみ質 低質 1,200kcal/kg(5.0MJ)
基準 2,100kcal/kg(8.8MJ)
高質 3,000kcal/kg(12.6MJ)
焼却条件 焼却残渣の熱灼減量 5%以下
燃焼温度 800℃~950℃

設備概要
受入供給設備 ごみピット  5,500立方メートル(5日分):1基
ごみクレーン 電動油圧ポリップバケット付天井走行クレーン:2基
燃焼設備 ストーカ   横列隔段往復動式ストーカ:エバラHPCC型:3基
焼却炉本体  容量115立方メートル:3基
燃焼ガス冷却設備
ボイラ 過熱器(3段)エコノマイザ付単胴型自然循環ボイラ:3基
  最大蒸気発生量:17.77t/h
  ボイラ出口蒸気圧力:3.82MPa(40気圧)
  ボイラ出口蒸気温度:400℃
排ガス処理設備
集塵装置 ろ過式(バグフィルタ):3基
有害ガス除去装置 反応器(リアクタ)+乾式消石灰噴霧方式:3基
白煙防止装置 蒸気式空気予熱器+送風機:3基
排水処理設備 ごみピット排水処理設備:1式
ボイラ排水処理設備:1式
有機・無機排水処理設備:1式
大型・不燃ごみ処理施設
ごみの資源化をテーマに、住民参加によるロータリー方式のステージ

くりりんセンターでは、一般の方もごみを持ち込めるシステムを採用しています。事前に分別したごみを決められた場所に自分で置くロータリー方式のステージです。資源化できるものは極力資源化し、機械にかける必要のないものは確実に分別して最後に残ったごみだけを埋立地へ。住民参加のもと、ごみのリサイクルと適正処理を実現しています。

大型・不燃ごみプラント フローシート

ごみの種類別に置き(投入)場所が決まっているので、搬入車がコンテナの周りをまわりながらごみの種類ごとに自分でごみを投入します。資源物(鉄くず・アルミ類・ダンボール)や蛍光管、電池などの危険物のほか、機械にかけられないもの(ブロック・ガラス類)を破砕する前に確実に分けられるよう工夫されています。

破砕施設
ピットに入った不燃ごみや大型ごみは、破砕機にかけられて細かくなったごみの中から磁石で鉄が取り出され、その後回転式選別機にかけられたアルミが取り出されます。できるだけ資源となるものを取り出す工夫をしています。

不燃・大型ピット
               
不燃ごみ、大型ごみを一時貯留するピット。
ピット内のごみを、クレーンで1次破砕機または、2次破砕機のコンベアに投入しています。

1次破砕機               
1次破砕機は、低速で回転する刃がごみを破砕するので、火花が出にくく爆発を減らすことができます。このため、スプレー缶などが混入する恐れのある不燃ごみを処理していましたが、スプレー缶などは資源ごみとして収集されるようになり混入が減ったことから、現在は自己搬入者が持ち込んだごみを1次破砕機で一度砕き2次破砕機の負荷の軽減を図っています。
 
2次破砕機               
2次破砕機は、1分間に300回の高速で回転するハンマーで破砕します。金属や石などの固いものが入ると火花を出しながら破砕するため、可燃性のガスなどが入ると爆発や火災につながります。また、ガラスや金属はこのハンマーを早く摩耗させますので、ごみの分別のご協力をお願いします。
 
回転式粒度選別機               
2次破砕機からコンベアで運ばれた破砕ごみは、磁選機で鉄を選別し、その後回転式粒度選別機の回転する円筒ドラム内で、細目はガラス・土砂などを、粗目はアルミ・可燃物に選別されます。資源化できるものは資源として選別し、残ったものだけ一般廃棄物最終処分場「うめ~るセンター美加登」に運び最終処分しています。
   
大型・不燃ごみ処理施設 主要設備概要
施設規模 破砕施設:80t/5h
プラスチック減容圧縮施設:30t/5h
選別内容
機械選別
鉄、アルミ、不燃物、可燃物、プラスチック

搬入者選別
灰・ガラス・コンクリート、破砕不適物、鉄くず、蛍光管、乾電池、ベッドマットなど

設備概要
受入供給設備 大型・不燃ごみピット他 2,000立方メートル(3日分):1式
ごみクレーン 電動油圧ポリップバケット付天井走行クレーン:1基
破砕設備 1次破砕機 低速二軸回転式110kW×2:1基
2次破砕機 竪型高速回転式220kW×2:1基
選別設備
磁選機 ドラム式(電磁永磁併用型):1基
風力選別機 強制吸引式:1基
プラスチック選別機 強制吸引式:1基
回転式粒度選別機 トロンメル式:1基
アルミ選別機 永久磁石・回転ドラム式:1基
くりりん発電所
高温・高圧蒸気を利用した高効率発電。約1万8000戸分のエネルギーを生み出します。

くりりんセンターでは皆さんの出したごみを燃やすことによって、電気エネルギーにリサイクルし、最大で7,000kW発電しています。この電気は、家庭で使う電気の量に換算すると約1万8千戸分になります。
発電した電気は、総発電量の約4割をくりりんセンターで使い、残りの約6割を売って施設の運営に役立てています。

特別高圧開閉所
電力会社に電気を送受電する施設。開閉器は日高山脈をイメージした外観になっています。
蒸気タービン発電機
ごみの焼却熱により、ボイラで発生した蒸気を利用するタービン発電機です。
ガスタービン発電機
蒸気タービン停止時および非常時に発電して施設内に電気を供給するとともに、ガスタービンの廃熱を利用して蒸気を供給します。
くりりん発電所 主要設備概要
汽力発電所
蒸気タービン出力 7,000kW
発電機出力 8,235kVA
タービン形式 抽気復水タービン:1基
入口蒸気圧力 3.63MPa
入口蒸気温度 397℃
発電機形式 三相交流同期発電機:1基

ガスタービン発電所
ガスタービン出力 1,600kW
発電機出力 2,000kVA
タービン形式 単純開放サイクル一軸式:1基
発電機形式 三相交流同期発電機
廃熱ボイラ 自然循環式排ガスボイラ

特別高圧変電所
需要地点 北海道電力ネットワーク株式会社  北芽室1号線くりりんセンター支線
受電方式 交流3相3線式 66,000V 50Hz
変電設備 ガス絶縁変圧器 7,500kVA 66,000/6,600V:1基